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いつの日か分からない日記。

今日も耳を塞ぐ。

窓の外の雑踏が耳に入らないように耳を塞ぐ。

聞えよがしの悪口雑言が入らないように、言われなくとも言われたときのように。

<あの人>は、僕の体内の心臓を壊すだけでは飽き足らず、内蔵を引きずり出してまで粗探ししないと気が済まないのだ。そして終わった後に、「やっぱり糞だったね、今日も何の抵抗もなく、多少いきり立ってくるところが面白いのにね、この国の法は私に味方しているから、あれは本当は抗弁できないことを分かっているんだ、つまらなかったね、やっぱりこんなものだったね、阿保のくせに」立場の弱いものを嘲笑して終わる。

<あの人>の元には日替わりで<お客さん>が来て、僕の心臓と内蔵を引きずり出す作業を一緒に見て帰るのだ。言葉のナイフで音もなく皮膚を切り裂き、玉ねぎのような心臓の殻を1枚1枚丁寧に剝ぎ取っていく。ナイフは既に使い古されて脆くはなっているけれど、心臓の殻を剥ぎ取る力は残っていて、それが僕を苦しめる。彼らはひとしきり心臓の殻を向いて僕が苦しむのを見た後に、心臓や内臓に僕の抵抗が残されていないか確認し内蔵を元に戻して終わる。心臓は1日経てばまた元のように直っている。

彼らがなぜ繰り返し僕の心臓と内蔵を痛めつけるかは分からないが、僕の心臓の核を弄び嘲笑のネタにしていることは知っている。僕の痛めつけられた心核は鈍く細い光を放つだけで、とても頼りない。彼らはそれをのぞき込み、「やっぱり遊ぶことが好きだったんだね」「遊んでいるからこうも鈍くしか光れないんだね」「私には腐っているように見えるよ、何もしないからこうなるんだね」

他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、このつまらない街の退屈さの中で、僕は甘い花の蜜といったところか。口先だけ「いじめ反対」「鬱病をなくせ」と言ってみても、この街の人間も同じ穴の貉といったところか、僕には彼らの心核も鈍く光っているのが分かる。彼らの心核もはじめはもっと純粋なことで喜び、笑っていたはずなのだ。

耳を新しい音楽と雨の音で塞ぐ。

新しい音楽と、雨の音と、楽しそうな人の声と。

行ったことのない街の雑踏と、雨樋を伝う雨の音と。

※1:フィクションです。

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